【WB2013】女子シングルスSF

波乱の2013年WBも残すところあと2日。

ザビーネ・リシキ(GER)[23] def. アグニエシカ・ラドバンスカ(POL)[4] 6-4/2-6/9-7


どっちに転ぶか最後の最後までわからなかったリシキとラド姉の一戦。正直、最終セットではラド姉が先にサービスゲームを迎える展開だったので、ブレイクバックしても、最終的に崩れるのはリシキではないかと思っていました。しかし、リシキが0-3と1ブレイクダウン、追いついてからもピンチを切り抜け勝ち切ることができたのは、セリーナとの4回戦で同じシチュエーションからカムバックできたからだとリシキ。セリーナ相手にそれができて、今回もやれないはずはない、と思ったと言います。

4回戦でピロンコバ相手にフルセットを戦い、中1日の休みなしに李とのQFでもフルセット。
両腿の疲労がピークにきているラド姉は、前後の動き、ディフェンスからの切り返しはこの試合でも相変わらず彼女ならではの巧さを披露してくれましたが、ベースライン上での左右の動きは半減。そのため、この試合では早めの仕掛けでいつもより攻撃的なプレーをしていたと思います。しかし、もともと相手の強打に対しても、切り返すボールのプレイスメントが絶妙(相手の読みを外すのも絶妙)ですから、そういった戦略でも、うまくリシキの焦りやミスを引き出していたんじゃないでしょうか。

それでもリシキが最後まで崩れなかったのは、上述したことからもわかるように、やはり精神力だと言わざるを得ません。あれだけ第2セット以降、ミスが増え、自滅気味になっていたにもかかわらず、もう一度、集中力を高め、逆にラド姉が最後に相手に屈する形になりました。

もともとキャリア戦績のなかでも芝での勝率がずば抜けているリシキですが、ここまでスキアヴォーネ、前哨戦で優勝してWBに乗り込んできたベスニナに完勝、その後は、ストーサー、セリーナと撃破。ふだんからエースも多ければDFも多いリシキですが、終盤も終盤で、2ndサービスからでもギャンブルできるのは、芝との相性、サーブが武器であることだけでなく、決して楽なドローではないなか、試合中にアップダウンがあっても、勝てるという自信を一戦ごとに深めていったからなんでしょう。

ラド姉にも勝機はありました。それだけに、この敗戦は忘れたくても忘れられないものになったでしょう。試合後の握手、リシキを待たずにロッカールームに引き上げる姿に、その悔しさが如実にあらわれていました。個人的には、ちょっと残念なシーンだったと思いますが、いくら素晴らしい試合だったとしても、選手にとってはやはり勝つことがすべて、仕方ないとも思います。

試合後の記者会見でラド姉は、

Q. Is the disappointment because the match was so close and it’s just a tough loss, or is it kind of the lost opportunity of what could have happened if you won this match with Marion in the final?
失望しているのは、接戦で負けたこと、それとも、勝てば決勝はバルトリとの試合であり、優勝できたかもしれないという機会を逃したこと?


という記者からの質問に対して(バルトリさんに失礼な質問だというのはさておき)、

AGNIESZKA RADWANSKA: Well, I think both. When you went that far to the semi, no Serena, Maria, Vika. Those girls are still playing great tennis, but it’s a little bit different. So, yeah, I definitely am disappointed.
両方だと思う。ここまで勝ち上がってきて、セリーナもシャラポワもアザレンカもいない。彼女たちはいまも素晴らしいテニスをしているけれど、(その彼女たちがSFに誰も残っていない状況は)少し違う。だから、そうね、本当にがっかりしているわ。


とコメントしています。

その前に、セリーナが敗退して、みんな優勝を夢見たんじゃないか、と聞かれて、「どうかな。もちろん、セリーナが敗れたことでドローが楽になったという側面はあるにしても、優勝するにはすべての試合にかたなければならない。誰かがセリーナを倒したとしても、他の試合に勝たなければいけないのよ」というコメントもしていますが、上記の発言は、(敗戦直後で気持ちの整理がつかないままという状況を鑑みても)正直な気持ちかもしれません。

かつて、ウィリアムズ姉妹が台頭し、パワーテニスの幕が開けた頃、ヒンギスは、ヴィーナスとセリーナ(カプリアティが復帰してからはカプリアティも)と、連続して倒していかなければ優勝に手が届かないという状況がありました。ラド姉にかぶるところがあります。

しかし、セリーナ、シャラポワ、アザレンカがSF、決勝に勝ち残っていても、それでも私は勝つ、勝てるんだという気持ちをラド姉に持ってほしい。まだ24歳、これが最後のチャンスではない、これからもまだまだチャンスがあると信じて、頑張ってほしいと思います。


マリオン・バルトリ(FRA)[15] def. キルステン・フリプケンズ(BEL)[26] 6-1/6-2


立ち上がり、緊張しているのか、動きがカタく、いいサーブが入らないフリプケンズとは対照的に、いつにも増して気合い十分、ロケットスタートを切ったバルトリ。リターンがもともといいバルトリですから、緊張しているフリプケンズにさらなるプレッシャーをかけるのに十分でした。

第1セット終盤、第2セット途中で、やや持ち直したフリプケンズではありましたが、どんな相手に対しても、自分のプレーを貫くバルトリ(いや、そうはいっても、戦況を見てネットに出る回数を増やしてポイントを重ねる、なんていうこともやります、バルトリさんは。この試合でも、その姿は垣間見られたと思います)。そんなバルトリにフリプケンズは完全にのまれてしまったと言えるでしょう。

QF、クビトバ相手にベストプレーを見せたフリプケンズでしたが、この日のバルトリは、リターンゲームだけでなく、サーブの調子もよく(サーブのフォームのマイナーチェンジは相変わらず、あとサーブを打つ前にボールをバウンドしなくなりましたね)、フィジカルでもメンタルでも、バルトリの勢いを止める術はありませんでした。

今大会、バルトリは本当に集中していますね。この人は大きな舞台で最大限の力を発揮できるタイプの選手だとつくづく思いました。一方的な試合でしたが、また違った面白さがありました。

フリプケンズは残念でしたが、ここまで勝ち上がったことを自信にして、残りシーズンも頑張ってほしいと思います。


ということで、誰も予想しなかったバルトリとリシキの決勝。すでに一度、WB決勝を経験しているだけでなく、何度もGSで大物食いをしてきたバルトリと、GSで初めて決勝という舞台に立つも、並みいる強敵を倒してここまで勝ち上がってきたリシキとの対戦が果たしてどういうものになるか、非常に楽しみです。どちらが勝っても初優勝。白熱した試合を期待したいと思います。


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